インフルエンザ予防接種、今年は特に重要 WHO専門家
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今シーズンのインフルエンザワクチンは重要というのは確かだろうと思います。
インフルエンザの流行自体は例年よりも低めに抑えられるのではないかと推測されますが、問題は他の感染症との鑑別が困難になることと、同時感染があることです。
▶Jama 2020; 323:2085-6.
これまではインフルエンザの診断は、臨床診断も十分考慮できました。
すなわち検査をしなくても、臨床診断は多くのケースで可能だったのです。
ですが、今シーズンからは難しくなるかもしれません。
最近のJAMAのレビューはその点に言及しています。
▶Influenza in the COVID-19 Era. JAMA.
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2769676
繰り返しになりますが、インフルエンザの流行そのものは例年ほどではないのでは…と、私は予想しています(希望的推測かもしれませんが)。
少なくとも、昨シーズンは流行をかなり抑えたようですし、夏風邪ウイルスの流行が現状では少なくなっていることもこの予測を補強します。
▶Sakamoto H, et al. Seasonal Influenza Activity During the SARS-CoV-2 Outbreak in Japan. Jama 2020.
それでもなお予防接種を推奨したいのは、おそらくこの冬は例年以上に現場が混乱するだろうと予想に難くないからです。
今、発熱患者さんに対し、フルバリアで検体を採取することになっています。今までのインフルエンザと同じように採取できないのです。
すなわち、予防策は多いほうがよい…そう思っています。
なにせCOVID-19が出現してから最初の冬です。
すでに、コロナ前ではないのです。
毎日のように外来や当直、救急をしている現場の医療者のひとりごととしては、対策はしておいていいと思っています。公衆衛生学的な視点では、なるべく多くの人がインフルエンザワクチンを接種し集団免疫をつけることが感染拡大を防ぐために重要です。今年は、感染予防への意識が高まってインフルワクチンの接種者が増えるのか、それとも病院やクリニックでのコロナ感染を恐れてワクチンを控える人が増えるのか。どちらの方向にふれるのか、気になるところ。
自分の場合、インフルエンザの予防接種を受けると副作用で発熱することが多い。平時ならすぐに収まるからいいが、現状だと発熱すると当面の間出社禁止になったり、いろいろな施設の検温で引っかかってしまう。インフル以外のワクチン接種も発熱の副作用を伴うものは、今は控えている。