テレビ会議以外のコミュニケーションをいかにすべきか

家でいくらせっせと働いたって、どうせ上司に見てはもらえない──これはテレワークにまつわる大きな悩みの1つだ。
提出書類もなければオンラインミーティングの予定もない日に、どうしたら上司にがんばりを認めてもらえるのか。そのための戦略を紹介しよう。

1. マメに連絡を取る

ノースイースタン大学ダモーレ=マッキム・スクール・オブ・ビジネスのエグゼクティブプロフェッサー、バーバラ・ラーソン(経営学を担当)は「どんな状況であれ、リモートワークを効果的に進める鍵はマメなコミュニケーションにあります」と言い、上司にずばりどういう形で進行を報告してほしいのか聞くことを勧める。
「上司も、あなたに聞きたいことがあるかもしれません。それを理解しておくと、オープンなコミュニケーションの確立にとても役立ちます」

2. 選択肢を提示する

以下の中から、上司に1つまたは複数の方法を選んでもらおう。
・メール、テレビ会議、電話、Slackで1日1度(あるいは週に1度か2度)報告する
・メールは上司にもBCCで送信し、受信メールは転送する
・GoogleシートやGoogleドキュメントに進捗を書きこむ
・Basecamp、Trello、Asana、Jiraといったプロジェクト管理ツールでより広範な進行を知らせる
・自宅の仕事場をライブ配信する(これは冗談!)
面倒だとか、そこまで情報を共有しなくてもと後ろ向きにならず、フィードバックの土台を提供しているのだと考えよう。
ラーソンによれば、報告を受けて安心し、より密な連絡を求める上司もいれば、あなたが怠けず働いているとわかってほっとし、放任する上司もいるという。

3. 結果重視に変わる

進捗をしっかり伝えれば、上司の頭にある以下の3つの質問に答えることになる。
・仕事ははかどっているのか
・問題はないのか
・サポートは足りているのか
細かい作業を箇条書きにしたり、その日行った業務をすべて報告したりする必要はない。だが、あなたが有能で信頼に足る従業員であることを示せば、上司は知らず知らず結果重視のスタンスを取るようになる。
「テレワークの部下に関しては、就労時間の長さやテレビ会議でのやり取りではなく、結果を重視するよう管理職に促しています」と、ラーソンは言う。

4.「見える化」戦術を実行する

仕事に励んでいることをさりげなく上司に知らせるには、コツがある。たとえば、次のような方法だ。
・上司が見ているSNSに、近況を投稿する 最新の成果を写したスナップやノートパソコンとコーヒーの写真、同僚への感謝のメッセージを、「働いています」とアピールしたい時間にアップしよう(同僚や友人から「充実してるね」などと揶揄するコメントが入ることは、覚悟しておいたほうがいいかも)。
・業務日誌をシェアする。取引先と何時間も電話で商談を交わしていること、年次報告書を8回もリライトしたことを知ってほしければ、業務日誌に記入する。
・週に1度、業務予定を報告する 月曜日か金曜日に、進行中の作業とその先1週間の予定を知らせる。
・余談を大事にする リンクや明るいニュース、業界関係の記事や仕事をしていることがわかるネタをシェアする(たとえば「サプライヤーのボブから、さっき面白い話を聞いたんです……」といった具合)。
・コメントに上司をタグづけする あなたが細かいことをおろそかにしない性格で、上司に最新情報を知らせる努力をしていることを現在進行形で示すのに、共有ドキュメントやプロジェクト管理ソフト、Slackはうってつけだ。
・即レスを心がける メールやメッセージに速やかに返信すれば、気持ちがしっかり仕事に向いていると思ってもらえる(気持ちが仕事に向いていると思われたくないときは、即レスは逆効果)。
・仕事が進んでいることが暗にわかる質問を投げかける 「入札があったサプライヤー7社のなかで、どこが一番期待できそうですか」と意見を仰げば、7社の入札を取りつけたことをそれとなく示せる。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Arianne Cohen、翻訳:雨海弘美、写真:urbancow/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with HP.