[ブリュッセル 11日 ロイター] - 米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)<JNJ.N>の幹部は、2021年に新型コロナウイルスワクチン候補10億回分の生産が可能との見通しを示した。

J&Jはサルを使った実験で免疫効果が1回の接種で確認されたことを受け、7月に米国とベルギーで安全性を検証する初期の臨床試験を開始。大規模な第3相臨床試験は10月初旬までに開始し、年末から来年半ばにかけてワクチンの効果についての結果を入手したい考え。

J&Jとワクチンを共同開発するベルギー子会社ヤンセンのワクチン部門主任は、財務上のリスクはあるものの、効果が確認された段階でワクチン利用がすぐに可能となるよう、生産をすでに開始しており、来年初めまでに数百万回分、年末までに10億回分を用意できる見通しとした。

また、第3相試験前にコロナ感染状況がある程度落ち着き、試験に必要となる十分な患者がいない状況に陥った場合には、意図的に被験者にウイルスを感染させるチャレンジ試験の実施を検討する可能性があると語った。

英製薬アストラゼネカ<AZN.L>は5月、オックスフォード大学と開発を進めるコロナワクチンのチャレンジ試験実施は時期尚早としつつも、いずれ選択肢となる可能性はあるとの見方を示していた。