2020/8/12

【3分解説】孫正義が語った「守りの経営と現役続行」

片平 知宏
NewsPicks編集部 記者
悪夢の創業以来最大の赤字から3カ月──。
8月11日のソフトバンクグループの第1四半期決算(4〜6月期)は、1兆2000億円の最終利益で、四半期として過去最高益を更新した。しかし、その割には「地味」な決算会見だった。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、終始ガードを固めたままで、慎重な姿勢を解かなかった。
孫会長が毎四半期に行ってきた華々しい「決算ショー」は、今回もなかった。新型コロナウイルスの世界的流行という非常事態を前に、防御を固める同社の姿勢を明確にする会見だった。
過去最高益の要因と、ガードを固めた決算のポイントを、NewsPicksが3分で解説する。

営業利益は非開示に

ソフトバンクグループの2020年4〜6月期の連結決算は、最終利益が、前年同期比12%増の1兆2557億円で、四半期ベースでは過去最高になった。
日本企業として、過去最大規模だった2020年1〜3月期の最終赤字1兆4381億円から、一気に黒字回復を果たした。
ソフトバンクグループの実態はすでに投資会社である。このため、この四半期から、営業利益に注目されることを避けるためか、営業利益の開示を取りやめた。

人は板垣、「防御は現金」

そんな「V字回復」の記者会見にもかかわらず、冒頭から、孫正義会長は「防御」の話に徹した。
歴史好きの孫会長らしく、スライドで示したのは騎馬隊に対抗するために作られた馬を防ぐ「馬防柵(ばぼうさく)」の画像だ。