レバノン支援には改革必要=仏大統領、首都爆発現場を訪問
コメント
注目のコメント
マクロン大統領は、爆発の直後、救援チーム50名余りと共にレバノンに駆けつけました。
それはいいのですが、積極的にベイルート市民の前に現れ、もみくちゃにされながら、一般市民に向かって演説しました。「フランスは、レバノンを支援する。支援は、レバノン政府ではなく、民衆に直接届ける。レバノンには新しい政治協定が必要であり、もしそれが実現されなければ、レバノン政府は存続できないだろう。」といった内容です。
レバノン政府の打倒を呼びかけたとも取られかねず、内政干渉といわれても仕方のない内容です。実際、レバノン国民は、これを既成の政党、既成のエリートを一掃する呼びかけと受け止め、旧宗主国であるフランスの介入を期待する声もあります。
フランスは、旧植民地における影響力の回復を目指す外交姿勢が顕著で、そのためにアフリカ北西部の武装反乱を鎮圧するための派兵などを長期に渡って続けています。マクロン大統領は、とりわけこの姿勢が際立っており、中東でもフランスの影響力を回復したがっています。今回の事件もその好機と見て、ベイルートに飛んだのでしょう。
しかし、このような中東、アフリカへの介入は、現在のフランスの国力には大き過ぎる負担です。経済的には、爆発事件の前から破綻寸前であるレバノンを立て直すとなれば、数百億ドルの借款程度は必要です。特に現在のコロナ禍に際しては、フランス国民のためにも非常の歳出が必要ですから、レバノンを支援している場合ではないでしょう。
レバノン政府で、最も力を持っているのは、イランの支援で成立したシーア派組織ヒズブッラーです。ヒズブッラーは、レバノン国軍よりも強大な軍事力を持ちます。レバノン政府に支援金を渡すだけでは、ヒズブッラーに資金を提供するのに等しいことになりかねません。そのため、マクロン大統領も、「支援は直接民衆に届ける」といっています。これが、対レバノン支援のむずかしいところです。
とにかく、レバノンの状況は、複雑かつ経済的に破綻寸前なので、支援は必要です。しかし、そのむずかしさのため、どの国も二の足を踏みます。レバノンの破綻の影響は、周辺国にも波及していくでしょう。レバノンは今年3月に債務不履行を起こしているのでそのことを指しているのようですね。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56541300Y0A300C2000000/
日本経済新聞ーレバノン、初のデフォルトへ 首相「国債返済を延期」
今回は事故のようですが、現在レバノンの「ヒズボラ」はイスラム教過激派で、過去のアフガニスタン・タリバン政権のように暴れまわっているようです。汚職も絶えないようですね。
キリスト教圏のIMFからの支援援助拒否もイスラム過激派の最たる例です。
ドイツでは既に「ヒズボラ」がテロ組織に認定されていて、イスラム過激派の動きには注視が必要です。
https://jp.reuters.com/article/germany-lebanon-hezbollah-idJPKBN22C18E
ロイター通信ードイツ、ヒズボラをテロ組織に指定 国内での活動禁止