銀行間の送金網、フィンテックに開放へ 21年度にも
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注目のコメント
記事を読む限り、第二全銀の議論ではなく、全銀自体をノンバンクに開放する主旨に見えます。この時間の日経さんのスクープということは勘案する必要はありますが、これから少額決済用の第二全銀を作るよりは、一定の水準を満たしたノンバンクを接続できるようにする方が早いという議論になった可能性はあります。
しかし、再三コメントしてきた通り、全銀システムは参加者間でシステミックリスクを共有するアーキテクチャです。水準を満たさない参加者が接続した場合、システム全体のリスクが増大します。
結果、ノンバンクが接続する為には既存の参加者である銀行が満たしている高い水準を達成する必要があるという結論になると思います。
そうなると、Fintechといってもそのコストやガバナンス構築の為の体制をとることができる大企業しか基準を満たすことができないと考えられます。決済サービスの上位数社だけでしょう。
ただ、決済サービスの上位の会社はグループに銀行を持っているケースも多くどれくらいニーズがあるのかが、気になる所です。個人ベースでは全銀協を使わない決済方法はいくらでもあるが、企業の給与振り込みや企業間決済は全銀協ベースが多いのでこれはフィンテック参入による利便性向上や手数料競争による手数料低下などのメリットはあると思います。
これは、先に出た銀行の「送金手数料引き下げへ」という記事とセットものですね。今銀行が独占している全銀システムの解放議論は以前からありました。
もちろん、これは銀行以外の決済機関にとって「レベルプレイングフィールド(公平な競争条件)」を得る大きな一歩です。
ただし、同時に、頑強性が売りの全銀システムの巨額な開発メンテナンスコストの負担も求められる可能性が高いでしょう。
負担次第では、参加するかどうか、難しい判断になるかもしれません。