[東京 3日 ロイター] - 日本航空(JAL)<9201.T>が3日発表した2020年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が937億円の赤字(前年同期は129億円の黒字)に転落した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内線、国際線とも旅客需要が急減。09年に次ぐ規模の四半期最終赤字となった。21年3月期の業績と配当予想は再び公表を見送った。

会見した菊山英樹専務執行役員は「非常に重く受け止めている」と発言。新型コロナが同社の経営に与える影響は、「リーマン・ショックをはるかに上回る」と語った。

JALは今年度から国際会計基準に変更した。従来の日本基準で比較すると、09年4─6月期に計上した990億円以来の赤字幅となった。

同社は需要回復にはまだ時間がかかると予想。菊山氏は会見で、コロナ以前の水準に戻るのは国内線で1年以上、国際線で2―3年ほどかかるとの見通しを示した。今年度は「国内線8割、国際線5割の回復で黒字化の希望を持っている」と語った。

21年3月通期の連結業績・配当予想は、引き続き未定とした。中間配は実施しない。リフィニティブがまとめたアナリスト9人による今期純損益の予測平均値は1661億円の赤字。同社は今年度末までにコロナ後を見据えた新たな中期経営計画を発表する予定にしている。

厳しい事業環境が続く中、今年度は年間900億円の固定費削減、800億円の投資抑制を目指す。

同社は20年2月以降、約3000億円の資金調達を実施した。銀行からの融資枠であるコミットメントラインも1500億円増額し、2000億円を確保しているという。

6月末の手元現預金は3943億円で、菊山氏は「(シナリオ通り行けば)半年から1年は十分(持つ)」と説明。それでも厳しい状況が続いたり、さらに悪化した場合に備え「引き続き前広な資金調達を実施していく」としている。

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(新田裕貴 編集:久保信博)