第2四半期のスペイン雇用者、過去最大の107万人減 コロナが直撃
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財政危機の際は、緊縮策の結果、輸出が財とサービスの両面で価格競争力を高め、構造調整圧力を抜く働きをしました。
平たく言えば、人件費が下がった分、製造業のみならず観光などの非製造業も競争力を高め、スペイン景気を下支えしました。
当時、失業率は実に30パーセント近くまで上昇しましたが、かなりの失業者が地下経済、特に観光業で就労の機会を得ており、所得の減少も緩和されました。失業率の見た目の水準が与える印象よりも、スペイン経済は安定していた訳です。
しかし今回のコロナ危機では、そうした観光業は麻痺状態で、当然ながら地下経済も活力を失っています。従いまして、雇用の喪失が財政危機の時よりも深刻なものになると危惧されます。
なおリンク先は、ダイヤモンドオンラインさんで、以前私がまとめたものです。
https://diamond.jp/articles/amp/243050?display=bベーシックインカムが5月に議会で承認されましたが、悪化する財政危機のなかでどうやって支払うのか気になります。アメリカのようにFRBが政府の借金をお金を刷って(帳簿上のデジタルマネーですが)上限なしで買うこともできないので、スペインのUBIのメカニズムを知りたいところです。
スペインのUBIの件は、Natureでも記事になってました。大規模な試験ということで、経済学者にも注目されているそうです。UBIを貰う人は貯蓄する必要がないので消費が増えるわけですが、消費を何とかすれば経済が回るのか。今までの古い無駄と既得権益のトップダウン大型財政プロジェクトや、株式市場を支えて富裕層だけが得するトリクルダウン金融政策ではなく、直接庶民にお金を渡す方法が景気の回復に繋がるかも知れません。NYTに4月からの消費に関するシカゴ大学のリサーチの記事が載っていましたが、政府の一時金や失業給付で消費が増えていたそうです(特にローインカム層)。
最終的に国の借金はどうなるのかという話も、FRBのバランスシートも2008年からそのまま残ってますがインフレにもなっていませんし、孫が借金を返さないといけないと本気で信じている政治家も経済学者もいないと思います。
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01993-3