(ブルームバーグ): 第一三共は27日、保有するがん治療薬「DS-1062」の全世界での開発や商業化に関する契約を英アストラゼネカと結んだと発表した。これにより、第一三共はアストラゼネカから最大で60億ドル(約6300億円)を受け取るという。

第一三共の発表資料によると、契約時の一時金としてアストラゼネカからまず10億ドルを受領し、開発目標を達成した時点で最大10億ドル、販売目標を達成すれば最大40億ドルを受け取る。

両社は抗体薬物複合体(ADC)であるDS-1062の治療法を共同で開発して商業化。第一三共は薬剤の製造と供給を担うという。日本を除く世界各地域で同剤を両社で共同販売し、開発・販売費用や利益は折半する。

ADCは抗体と化学療法剤(薬剤)が結合したもの。抗体の力でADCを特定のがん細胞に付着させ、正常な細胞にほとんど影響を与えずにがん細胞を狙い撃ちできる。同社が扱うADCでアストラゼネカと提携するのが2例目。今期(2021年3月期)の業績への影響については今後適切な時期に公表するとしている。

(発表内容の詳細を追加して更新します)

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