(ブルームバーグ): 米電気自動車(EV)メーカー、テスラは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなかにあっても黒字を維持したが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)にはまだ悩みがある。同社の成長が十分に速いペースではないことだ。

22日発表の4-6月期(第2四半期)決算はアナリストの予想に反し4四半期連続の黒字となり、テスラ株のS&P500種株価指数採用に道が開かれた可能性がある。12カ月間の黒字でS&P500への採用を決める際の基準を満たしたためだ。

S&P500構成銘柄となれば、同指数に連動するパフォーマンスを目指すマネーマネジャーはテスラ株を購入しなければならなくなる。同社の株価が3月からの急伸で4倍となったのは、S&P500に採用されるとの観測が一因だった。

マスク氏はアクセルを弱めるつもりはない。同社は同日、テキサス州に新たな自動車組立工場を建設すると発表。さらなるコスト低減を図る考えを示した。

テスラ、米テキサス州にEV新工場建設へ-「サイバートラック」生産

アナリストとの電話会議でマスク氏は「私が最も悩んでいるのはわが社の車が十分に手頃な価格になっていないことで、それを打開する必要がある」と指摘。「われわれは小幅な黒字と成長の最大化に加え、車を可能な限り手頃な価格にすることを望んでいる。それはまさにわれわれが達成したいことだ」と述べた。

マスク氏は黒字維持を目指すとしたが、そのために売り上げの伸びや手頃な価格を犠牲にすることはないとした。

原題:Tesla Growth Is Musk’s Goal After Profit Opens Path to S&P (2)(抜粋)

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