苦境の出版界でも大手書店が意外に好調な理由
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注目のコメント
出版社の社長も経験しているものとして一言。
ほとんどの出版社のマネジメントなら気付いていますが、本なり雑誌なりを多く刷って在庫にすると資産計上できるんで特に年度末に数字調整でこれ誘惑にかられやすいんですね。結果的には負債が信じられないほど多くなっていく。
出版業の再生策は、出版そのものにあるのではなく、そのノウハウを活用して次なるビジネスを生み出せるか否かにかかっています。
出版産業のエコシステムに言及するのではなく、出版産業からの投資マネーを頼りにする若い起業家に焦点を当てたほうが生産的です。
その際に快く出版業界に彼や彼女をむかえいれることです。これが出版業界の人たちは苦手なんですね。もはや特殊な産業でもなんでもないんですが。書店さんのトップインタビュー
「旗艦店の新宿本店と梅田本店を(外出自粛期間中の4月から5月にかけて)臨時休業したため、それぞれ20%ほど売上高が落ちた。確かに痛いが、紀伊國屋書店は大まかに言えば売上高の半分が店舗で販売する小売の店売部門、もう半分は大学や企業向けに販売する営業部門だ」取次傘下での書店経営について
取次と書店では扱う商品が同じであっても、卸と小売であるから事業構造が全く異なります。
しかし、これは商社が小売チェーンを買収していることと構造は変わりません。
ただ、商社の小売チェーン買収が積極的な前向き買収に対して、取次の書店買収は書店経営が行き詰まる中での
救済的な意味での買収が大半で、一部に例外はあってもバランスシートが大きく傷ついた状態での買収がです。
決算書が全く読めない書店経営者をたくさん見て来ました。トーハンも日販も傘下の書店売上はそれぞれ数百億円あります。
もし、投げ出せば地域社会に与える影響は計り知れません。後輩諸氏の健闘を祈るばかりです。
結局は書店も出版社も取次も経営者の能力次第である「200%経営者の時代」と言う冷徹な事実に行く着くだけです。