なぜリーダーは、部下の好意を「勘違い」するのか

2020/7/12

尊敬する上司の「誤解」

ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社のハラスメント対策専門家として、企業向けにハラスメントの研修を行う倉本祐子氏は、尊敬している上司からセクハラの被害に遭った経験がある。
社会人になってから半年経った20歳の頃、倉本氏は男性の上司から食事に誘われた。
仕事ができる上、面倒見もよかったその上司は、いつも倉本氏の相談にもこまめに応じ、適切なアドバイスをくれた。倉本氏だけでなく、多くの従業員が彼を尊敬していたという。
そんな彼からの誘いが、倉本氏はただただ嬉しかった。
「ビジネスパーソンとして認めてもらえたのかな、と思いました。今から思うと浮かれていましたね」
(写真:HAKINMHAN/iStock)
しかし、食事後の上司の行動で、彼への憧れは恐怖に変わる。彼が倉本氏の肩をつかみ、無理やりラブホテルに連れて行こうとしたのだ。
「上司の身長は190cm近くあり、身体の大きい人でした。そんな彼に引っ張られると抵抗できず、このままでは部屋まで連れ込まれてしまう、という状況でした」