【森暁彦】ファイナンスを学べば、人生を「構造化」できる
コメント
注目のコメント
NPコミュニティチーム佐藤さんとのディスカッションをNP編集部に週末の読み物的な記事にしていただきました。
記事のテーマは、私たちの日々の生活における様々な意思決定・取引の際に、ファイナンス的な物の考え方をどのように活用すべきなのか、というものです。
ファイナンスは、ロングタームな視点で、物事を定量化したり構造化したりするのに役立ちます。
記事の具体的な内容は、
・都心不動産を念頭においた「保有 vs 賃貸」のファイナンス・投資的な考え方
・キャリア設計や資産形成において必要となる自分自身の資本とリスクの考え方
といったものです。
多くが、これまで何回もコメント欄で書いてきた内容と重なります。記事化に伴い改めて整理しました。
宜しければご覧くださいませー。
【PR/ディスクレーマー】記事の最後に拙著へのAmazonリンクを載せていますので、本記事は広い意味でPR記事です。
ですから、NP編集部記事ですけれど無料記事になっています。
(編集は敏腕泉副編集長です)ファイナンス的思考が個人の人生設計においても重要であることは疑いないですね。本文で触れられていない観点を挙げるとすれば、20代・30代にとって個人的に重要だと思うのは、「生活水準を上げない」ことだと思います。
給料が上がったり、資産が積みあがることは「リスク許容度を上げる」という意味で、人生のオプションの増加に繋がりそうですが、人間は保守的な生き物なので、たいていの人は一度得たものを失うことが怖くなってくる。行動経済学で良く言われる通り、人は収益の機会を失うことよりも、直接的な損失のリスクを過剰に恐れることが分かっています。更に、家族持ちの要素が加わると転職・起業などのチャレンジもしなくなります。
そういう意味で、巷で費用対効果が合わないと言われる超高額の欧米の大学院に30歳前後で私費留学するのは、逆説的に最適です。それまで貯めてきた貯金を切り崩す、もしくは借金をして貧乏学生を経験できます。失う資産も無くなるので、卒業後のチャンレンジをし易くなります。というか、卒業後に頑張らないと元取れないし、同世代の資産形成にキャッチアップ出来ない、という意味で覚悟が生まれます。(私の様に子持ちで借金をして私費留学するのはお勧めしませんが)
金融資本の蓄積は、人間心理的にデメリットももたらし得るので、少なくとも20代のうちは人的資本・社会資本に投資することが良いかなと個人的には思います。「個人にファイナンス観点を生かす」という点で、面白い!
記事はお金に話を振り切っているが、時間も重要。Akiさんの本や、元となった記事に詳しいが、ファイナンスは時間概念とは切っても切り離せないもの。代表格が「割引率」。
記事にも出ている職業選択がお金と時間の両方が重要な個人にとってのライフイベントだと思っている。まず生活するにはお金が必要。お金がなければ気持ちが貧しくなるし、家族がいれば一層そうだと思う。そのうえで、業務内容・仕事環境が全て一緒であれば給与は高ければ高い方がいい。でも実際はそれが違う。
だから、ミニマムの給与と、業務で求めること(内容と環境)への腹括り、腹括りするための自己理解はとても重要だと思っている。
将来につながる業務内容、働いていて気持ちが良い仕事環境も欲しい。それは人生の稀少資源である「時間」を使うから。先にお金を得ることand/or経験を得ることは、将来の転職(MBAなども含め)にもつながる。これは上記の割引率の概念にもつながり、先に得たお金・経験は、その後の再投資で長期に効く。
日本は新卒プレミアムが強いが、一方でその会社での待遇・環境ゆえについている「値札」でそこに拘り過ぎれば、実際は人生のオプションが減っていることが少なくない。
お金は今と未来の両方に重要。そして時間は不可逆だし、究極的には人生の唯一の資源。死ぬときに「いい人生だった、楽しく充実した時間の使い方ができた」と思えれば人生それでよいと思っている。
時間を、今と未来のお金含めて有効に使える意思決定をするためにも、ファイナンスの概念はとても使える。