「ネットワーク効果」は参入障壁たり得るのか?
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一般的にネットワーク効果は、参入障壁の一種と目されています。特に利用者数が増えるほど一人ひとりの利用者にとっての価値が高まるプラットフォームサービス等において、ネットワーク効果は事業成長における大きな役割を果たします。
一方で、既存利用者が多いことが新規利用者にとっての選択理由になる、あるいは既存利用者にとっての継続利用理由になるということは、裏返せば利用者の離脱が利用を停止する理由になり得ることも意味します。
ネットワーク効果は利用者を増加させる効果と同時に、利用者を離脱させる効果をも内在させていると言えるのではないでしょうか。
この点で、ネットワーク効果は利用者数を急増させるブースターとしての機能は果たす一方で、獲得した利用者の離反を防ぐ強烈なスイッチングコストとセットにならない限り、参入障壁にはなり得ないのではないかと考える次第です。ネットワークの話でわかりやすいのが、メトカーフの法則かと思いますが、特にSNSなど個人データを扱う領域は法律の動きもありゲームチェンジが起こり始めています。
メトカーフの法則
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/メトカーフの法則
欧州では法律とプロダクト開発をいかに連携させるかが、出資の意思決定にも関わり始めているので、今後、ネットワーク効果に関しても見直しが必要な気がします。ビジネススクールでネットワーク効果の講義で例に出ていたのが「電話」でした。つまり家電です。
利用者が増えれば増えるほど、ユーザーの便益が高まるし、提供側は通話料でチャリンチャリン入ってくる、という話です。
初期投資が大きいインフラ(もしくはそれに近い)サービスの場合は、ネットワーク効果は大きく作用する一方で、web上のサービスは必ずしも参入障壁になり得ないなと、改めて思いました。