【藤原和博×鎌田浩毅】 真に必要とされる「学び」の正体
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今回はNewsPicksの依頼で、まだ外出制限がかかる中、スカスカの新幹線に乗って京都に行き、京大の鎌田浩毅教授と語ってきました。
鎌田さんは同世代で、私の著作がタイトルに使われ後に人気番組となった「世界一受けたい授業」にも出演するユニークな先生だからです。
ここで、私は京都の象徴として3点挙げています。「伝統を受け継ぎながら普通の街と共存する祇園」「ノーベル賞級研究者を輩出し続ける京大」「花札販売から世界的優良企業に育った任天堂」・・・いずれも、圧倒的な「遊び」の蓄積がある中から生み出された文化だからです。
「遊び」の裏付けがない「学び」は表面的で脆く、剥がれやすい。
そして、それを体現する京都的な人物として私は、京セラの稲盛さんではなく、ノーベル賞の学者でもなく、知事や市長でもない3人の人物を挙げました。
まず童夢の林みのるさん。スーパーカーのデザインで世界的に有名です。
http://www.dome.co.jp/index.html
20代の時に風動実験室とゴルフコースと釣りもできる川が流れる本社を訪ね、衝撃を受けました。ジョージ・ルーカスやグーグルが遊び満載の本社を作るはるか前のことです。
次は、画家のキーヤンこと、木村英輝さん。沢田研二さんとも交流のある(高校の先輩?)元ロックミュージシャンで60歳から画家としてデビューした人物。
https://ki-yan.com/category/works-article
東京に住んでる人も、日本橋高島屋の包み紙や車内吊り広告のデザインも彼だったから、一度は見たことあるんじゃあないかな。
最後は、自然の造形美を伝える「ウサギノネドコ」のご主人で吉村紘一さん。
4センチ角ぐらいの透明なアクリルのキューブに時間をかけてタンポポの綿や桜を封じ込め、宙に浮かせた「Sola cube」が美しい!
https://usaginonedoko.net/products/solacube/concept/
京都の店は女子高生に人気ですが、東京にも出店しました。
正直言って私は、一条高校の校長として2年間父母と暮らした奈良の方が京都より好きだし、寺社仏閣では興福寺の五重塔、仏像では興福寺の八部衆のうち一体だけ頭部しかない「五部浄」が最高だと思っているのですが・・・(笑)。教育を行う側が、教えていることに対する情熱があること。
そして、学びを「遊び」にする余裕があること。これらが大切かもしれません。
義務教育の学びが往々にして退屈なのは、これらが欠けているからかもしれません。先生たちを過度なカリキュラム縛りや不必要な業務から解放して、教育に力を注げる環境をつくらねばと思います。
ちなみに、鎌田先生の授業を受けていましたが、まさに先生のライブで、大教室が多くの学生で溢れていました(京大ではあまり見られない光景です)。30代の頃、仕事をやめて本を1000冊読み続けていた時期があります。一年かかってわかったことは、最初の一ヶ月で100冊読んだのが一番効果的だったということです笑。読書や学びは大事ですが、アウトプットを徹底的におこない、時々インプットを集中するというメリハリが大事なように思います。