ファーウェイとの協力容認=5G基準策定で―米商務省
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スタンダードを掌握する者は、その仕組みを掌握します。現在のインターネットが米国の軍事用ネットワークの下部を開放したものであって米国に掌握されている、との危機感に基づいて、中国は自らが国際基準を作ることにこだわっています。
5G技術では、ファーウェイが各国企業の中でも抜きんでていて、米国も中国が5Gの国際基準を単独で掌握することに警戒感を覚えているのでしょう。
「米中新冷戦」の「新」とは、米ソ冷戦とは状況が異なることを示していますが、米中新冷戦では米ソ冷戦のように、世界が2つのブロックに分かれることは難しいということです。そもそも欧米諸国が中国を各種の国際スタンダードに取り込もうとしてきたことによって、中国は国際的なサプライチェーンの中でも外すことのできないアクターになっています。その上で中国は、国際スタンダード自体を自らに有利なものに変えようとしています。
その意味で米中新冷戦は、世界を2分する戦いにはならず、米中間で国際的なスタンダードをどちらが握るかという熾烈な争いを展開する可能性があるものだと言えます。米国のエンティティリストにファーウエイは指定されている。更に今年の8月中旬以降は、国防権限法に則り、ファーウエイ製品を使用している企業は、米国政府との取引を完全に禁止されることは法律で決まっている。
また、5Gの設計仕様や国際標準規格では、米国のミリ波帯域と中国のサブ6帯で、そもそも対立している。商務省の新規則は、米国企業のロビー活動の結果であろうが、あまり意味のあるものになるとは思えないが、果たしてどうだろうか。