<新型コロナ問題と税・社会保障>その4:コロナ対策の財政金融政策でもインフレにならないのか?
東京財団政策研究所
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日本の貨幣乗数(信用乗数)と貨幣の所得速度(流通速度)の推移を1970年代以降で示してみました。
日本の貨幣乗数は2と史上最低水準、貨幣の所得速度は0.5近くまで低下していた中で、コロナショックが襲った。3月末から5月末の2か月でマネタリーベースは約6.5%(年率換算約39%)増え4月のマネーストックM2の対前月比(季節調整済)で年率9.3%増加している。
これで、インフレは起きないのか?物価はその定義から通貨的な現象でしかあり得ないが、しかし通貨の変化だけで起こるわけではないし、高率の物価上昇などは、実物的な経済活動の変化を必ず伴う筈。物価を上昇させ続けるような人々の行動が切り替わるきっかけは、どうも通貨の増加とは限らないようだ。通貨の流通速度や信用乗数は単なる定義式なので、 感染収束後も物価が変化せず、これらが事後的な((4)式を満たすように)整合性のある動きをするだけとなる可能性は高いと思います。