(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は半期に一度の金融政策報告を公表。失業や経済リスク、金融セクターについて特に詳細に記した。

金融セクターについては、「2008年以降の金融および規制の改革で耐性が強まったものの、流動性やマチュリティーの変化に伴うノンバンクセクターのぜい弱性が顕著なように、金融システムのぜい弱性はパンデミック(世界的な大流行)の経済的影響をいくらか増幅させた」と指摘。「従って金融セクターのぜい弱性は短期的に著しくなると予想される」と分析した。

このほか経済へのリスクと失業についても、FRBは重点的に報告している。

「パンデミックおよび経済活動の見通しは不透明だ。新型コロナウイルス感染症(COVID19)が今後たどる道筋と、それが米国および世界経済に及ぼす影響がもたらすリスクは短期的にみて引き続き高い」と同報告は指摘。「多種にわたるデータが浮き彫りにしているのは、COVID19危機下の中小企業についての憂慮すべき状況だ」と説明した。

パウエル議長はアクセル緩めず、FOMCは22年末までゼロ金利見込む

パウエルFRB議長は16日に上院銀行委員会、17日に下院金融委員会で半期に一度の議会証言を行う。この日公表された金融政策報告は、証言前にFRBの見通しやリスク認識を議会に周知させる役割がある。

原題:Fed Warns of Significant Financial-Sector Vulnerabilities (1)(抜粋)

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