[12日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが、米電気自動車大手テスラ<TSLA.O>の投資判断を引き下げた。10日に初めて1000ドルの大台に乗せたテスラ株だが、割高な水準にあるとした。

2社はテスラ株の長期的な判断は引き続きポジティブとしながらも、現在の株価水準は電気自動車(EV)業界における競争激化などのリスクを過小評価していると指摘。

EV分野にはゼネラル・モーターズ<GM.N>やフォード・モーター<F.N>など自動車大手も投資を強化し、ラインナップを拡大している。

モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は12日の顧客メモで、「より注意すべき主要な弱気のベクトルとして、米中貿易、短期的な需要、資本ニーズ、技術競争へのリスクを挙げる」と指摘した。

モルガン・スタンレーは投資判断を「アンダーウエート」に引き下げ、他の証券12社と並んで売りを推奨。ゴールドマンは「ニュートラル」に引き下げた。これにより、12社が「ホールド」、9社が「バイ」かそれ以上となった。

ゴールドマンのアナリスト、マーク・デレニー氏は11日、同社のファンダメンタルズに対するハードルは高まっていると指摘。目標株価は925ドルから950ドルに引き上げた。

一方、モルガン・スタンレーは目標株価を680ドルから650ドルに引き下げた。リフィニティブによると、この水準は目標株価中央値と同じ。

テスラ株は過去1年で360%急騰。12日午前の取引では1.3%安の約960ドルで推移している。