[アムステルダム/ニューヨーク 10日 ロイター] - 欧州で料理宅配サービスを展開するジャスト・イート・テイクアウェー・ドットコム<TKWY.AS>は10日、同業の米グラブハブ<GRUB.N>を株式交換により買収することで合意したと発表した。買収が完了すれば、売上高では中国を除く世界で最大の料理宅配サービス企業が誕生する。

グラブハブの時価総額は約43億ドル。同社を巡っては、米配車大手ウーバー・テクノロジーズ<UBER.N>傘下のウーバー・イーツが5月、株式交換を通して買収することを提案していたが、これには独占禁止法上の懸念があるとされ、今週に入って破談となった。この件に関してウーバーからコメントは得られていない。

グラブハブのマット・マロニー最高経営責任者(CEO)はロイターの電話取材で、ウーバーの提案に関する報道を受けてジャスト・イートが独自の買収案を提示してきたと明かした。

また、ジャスト・イートが提示した価格が「決断を容易にした」と語ったほか、同社との統合により「財務の強さと柔軟性」が得られるとの見方を示した。

ジャスト・イート株は約13%下落。グラブハブの株価は引け後の時間外取引で約6%上昇した。

ジャスト・イートの2019年の売上高は15億ユーロ(17億ドル)、グラブハブの売上高は12億ユーロ。新型コロナウイルスの感染拡大で料理宅配サービスの需要が拡大する中、4─5月の売り上げは両社の主要市場で41%増となったという。

両社は、株主と当局の承認を経て、2021年第1・四半期に買収を完了させる計画。合併後の本拠はアムステルダムに置く。

米クリーブランド・マーシャル・カレッジ・オブ・ローで教鞭をとるクリス・セイジャーズ氏は両社の統合について、米独禁法当局の承認を容易に取得できるとの見方を示した。

*内容を追加しました。