【超解説】コロナ、暴動…。それでも「株価」が上がる理由

2020/6/11

深まりゆくミステリー

アメリカは「最悪の年」を迎えているーー。
新型コロナウイルス感染症で、世界最大の感染者数、死者数を出し、失業保険の申請数は4000万件を生みだしたほか、さらに5月末には、ジョージ・フロイドさん死亡への抗議デモが全米に広がり、さらなる社会不安が広がっている。
今や、米メディアも、公民権運動やベトナム戦争、大統領暗殺に、感染症も広がった1960年代と比べるなど、どこまで「最悪」なのかを探り合う記事も多い。
だが、一つだけ、なぜか最悪ではない指標がある。
2月中旬の3万ドルに達しそうな勢いから、3月初旬にかけて暴落し、3月23日には1万8000ドルまで落ち続けた後、ロックダウン期間中、それに続いた抗議デモ、暴動の期間も上がり続け、2万7000万ドル台まで戻した。
この間、金融の専門家らは「もう一度落ちる」「二番底がある」「でないと説明がつかない」といい続けてきたが、とうとう危機前に到達しそう勢いだ。
もはや、誰もが首を傾げる「ミステリー」ともいえるマーケットの動き。
この理由を探るため、NewsPicksは、米ベストセラー『GAFA the Four』の著者であり、ニューヨーク大学MBAの権威であるスコット・ギャロウェイ氏に直撃。
なぜ、社会不安が高まる中で、なぜ株価は上がるのか、そして、なぜまたGAFAにお金が集中しているのか、をくまなく聞いた。

マーケットの本質とは

──アメリカにカオスが訪れています。コロナ対策で失敗した上に、ジョージフロイドさんの殺害で、怒りが爆発しました。にもかかわらず、株価は上がり続けています。この現象をどう説明すればいいのでしょうか。
アメリカは、実態経済の「指標」として、マーケットを過剰に評価しすぎています。