FOMC経済見通しに不透明感、雇用統計上振れ

コメント

注目のコメント

• 井上 哲也

  野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部　シニア研究員

  ・2020年06月09日

  米国経済に底入れの兆しが窺われるとしても、パウエル議長やクラリダ副議長の講演などから見る限り、記事が推測するように、中心シナリオは慎重なものになるように思います。
  
  その上で、今回は複数のシナリオを示すよりも、どのようなメカニズムあるいはステップを踏んで、米国経済が回復していくのかという展望を聞きたいように思います。
  
  経済活動の自粛が緩和すれば、直接的には飲食や小売、娯楽の売上やガソリンの消費が最初に回復するでしょうし、次にはサプライチェーンが再建しつつあるITや製造業が、海外経済の回復とともに復活していく姿も想定できます。一方で生活や働き方の根本的な変化によって、調整の必要となる産業も出てくるはずです。
  
  こうした流れについての理解が共有されれば、市場の安定に寄与するだけでなく、家計や企業の不安心理を抑制することにも繋がリ、過度な慎重さが景気回復を抑制するリスクを減らすことに繋がると思います。