ECB、経済対策強化 債券購入1.35兆ユーロに拡大

コメント

注目のコメント

• 井上 哲也

  野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部　シニア研究員

  ・2020年06月05日

  追加緩和自体は、規模はともかくとしても市場の予想通りでしたが、ECBがその理由について、物価見通しの低下に対抗するためと説明したことには意外な印象を受けました。実際、ラガルド総裁による記者会見でも数名の記者がこの点を取り上げました。
  
  市場のストレス、特に域内国の国債利回りの拡大に対応して始まったPEPPが、どうしてこういうロジックにすり替わったのかは、必ずしも判然としません。ただし、ECBが物価安定のために資産買い入れを行うと主張すれば、大義は立つし、外部からの懸念も封殺できることは確かです。
  
  それでも、もしそうだとすれば、元々の資産買い入れであるPSPPの方を拡大した方が筋が通るようにも思います。