[東京 4日 ロイター] - 村田製作所<6981.T>と帝人フロンティア(大阪市)は4日、力が加わることで電気エネルギーを生じさせて抗菌効果を出す繊維を共同開発したと発表した。2020年度に生産・販売を開始し、国内メーカーに提供する。中長期的には海外展開や抗菌以外の機能を持つ製品の開発も視野に入れ、25年度に売上高100億円を目指す。

両社が開発した繊維「ピエクレックス」は、人の動きなどで生じる伸縮で電気を発生させ抗菌性能を得ることができる。村田製作所の村田恒夫会長兼社長は「これまでの繊維にない機能を持ち、新たな顧客ニーズ、製品開発に応えられる画期的な素材」とアピールした。植物由来のポリ乳酸を原料とし、薬剤や有機溶剤を使用しないという。新型コロナウイルスへの効果は「まだ検証中」としている。

ピエクレックスは、スポーツウェアやインナーウエアなどの衣料製品やフィルタや衛生材などの産業資材などでの使用を想定する。研究・開発と製造・販売を目的とする共同出資会社ピエクレックス(滋賀県野洲市)を4月1日に設立した。資本金は1億円で、出資比率は村田製作所51%、帝人フロンティアが49%。

(平田紀之)