[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが発表した5月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は31.9と、4月の13.6から改善したものの、好不況の分かれ目となる50を大幅に下回った。速報値は30.5だった。

4月は1998年半ばの統計開始以降で最低を記録していた。最悪期を脱した兆しは出ているものの、プラス成長の回復にはまだ時間がかかりそうだ。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「今回のPMI統計では、ユーロ圏の不況の規模と範囲が浮き彫りとなった。すべての国で再び事業活動が大幅に縮小した」と指摘。

「このため、第2・四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)は前例のないマイナス成長となり、失業者もユーロ圏史上で最大の増加を記録するだろう」と述べた。

先月のロイター調査では第2・四半期のGDPは11.3%減と予想されている。

雇用指数は37.8と記録的な低水準。4月は統計開始以降で最低の33.4だった。

同氏は「需要の見通しが依然として弱く、先行きに影を落としている。家計支出は高失業率で打撃を受けており、企業支出もバランスシートの修復で低迷している」と指摘。「このため、景気の回復については慎重な見方を維持している」と述べた。

5月のユーロ圏サービス部門PMI改定値は30.5と、4月の12.0から改善したが、50を大幅に下回った。速報値は28.7だった。4月は統計開始以降で最低を記録していた。

サービス業では需要が再び減少。受注残高が急ピッチで減っている。ただ、今後12カ月の見通しについては悲観的な見方が大幅に後退し、企業見通し指数は34.3から47.6に急上昇した。