西浦×國井 対談「日本のコロナ対策は過剰だったのか」
コメント
注目のコメント
「基本的に、アウトブレイクはうまく抑えても、抑えられなくても批判されるものだ。大流行もなくうまく抑えれば、「(介入を)やり過ぎだ」と非難され、大流行したら「何をやっている」と言われる。政策決定者もそれを助言する者も、批判されることが多いのは世界共通のようだ。」
これだけ多大な貢献をされているのに、あまりに報われない。。
もちろん、批判をするのも自由ですが、せめて、しっかり理解した上でおこないたいですね。西浦さんの情報発信があったからこそ、日本では行動変容が起きてここまで押さえ込むことができたといっていいでしょう。感染者数が減った後で対策が過剰だったというのは後出しジャンケンです。日本の感染者、死者が少ない要因、ファクターXが未だに特定できないのに、根拠のない楽観論で西浦さんを批判するのは、理性的とは思えません。
今号の西浦氏の寄稿及び対談記事は読み応えありました。知らない発見もありました。僕は結果的に、西浦氏の「自粛8割」には批判的ですが、別に彼が悪いわけではないです。不眠不休で働いて、実名でこの国難に対応してくださっていることには敬意を払う必要があります。もちろん、彼を「大罪」と言う方とは、一線を画します。ただ専門家の意見を聞けという池上彰氏のような論は間違いで、どの専門家の意見を聞き、現実に基づいてどうバランスを採っていくか、これが政治家の力量だと思います。さて、その前提で少々。
この対談で分かったのは、日本の対策チームが、クラスターを追える状態に戻したいと考えていたことです。クラスター対策を主としていた基本路線から言えば筋が通っています。実効再生産数を2.5(ドイツ水準)にしたのも西浦氏ご本人は間違いでないと主張します。しかし「何もしなければ42万人が死亡する」論は、西浦氏の基本認識を疑わざるをえないものです。後手後手に回った国の数値や、いまだに大混乱のブラジルを見ても、この数字には程遠い。お二人の対談は、所詮感染症専門家同士なので、かばい合いの枠を出ないものです。今回のウイルスを、現時点での客観的な数字で見た時、当初言われていたこと(感染力は厄介だが、殺傷力は限定的)が統計的に大きく変わっているわけではありません。経済抑止を命の問題と見る「政治のバランス」が不可欠です。
そして「一生懸命頑張っている西浦氏を批判するな」、という論調は間違いです。その政策のもと人生を狂わされた人はかなりいらっしゃいます。問題が収束していない今、論じてこそ意味があり、対策を見直すべきです。