[東京 1日 ロイター] - りそなホールディングス<8308.T>の南昌宏社長は、1日までにロイターのインタビューに応じ、店舗にかかる費用の2割超を中長期的に削減する意向を示した。店舗網そのものは維持しつつ、スマートフォンアプリのユーザーを拡充し、対面と非対面の両立を図る。

長引く低金利環境で国内の預貸金利益は右肩下がりとなっており、加えて足元では新型コロナウイルスに関連して与信費用が増え、銀行の利益に圧力がかかっている。りそなは2020年度、連結ベースで500億円の与信費用を見込み、純利益予想は前年比21%減の1200億円とした。

4月に社長に就任した南氏は「店舗の維持コストに相当メスを入れる」と述べ、店舗の規模縮小などを通じて費用の圧縮を進める考えを表明。「人件費をカウントしなかったとしても、物件費だけで2割は十分削減できる」とし、中長期的に改革の効果が表れるとの認識を示した。

アプリのダウンロード数は現在の220万から500万を目指す。デジタルチャネルの拡大に注力する一方、首都圏や関西圏を中心とした店舗網は残す。アプリを通じて得た顧客データを店頭の担当者にも共有し、より精緻な対面案内を可能にする狙いだ。 南氏は「日用品だと例えばアマゾンでクリックして終わるが、事業承継や住宅ローンだとそうはいかない。(実際の人間が)しっかり説明した上で利用してもらうということが、金融にとって大きなプロセスだ」と話した。

(梅川崇 編集:田中志保)