【世界発】「経済活動再開」という壮大な社会実験が始まった

2020/5/20
最善の「バランス」を求めて
世界で大きな賭けが始まっている。
新型コロナウイルスの脅威の只中で、最も安全かつ効果的に経済活動を再開させるにはどうすればいいか、さまざまな国や都市で「野外実験」が行われているのだ。
どのような状況で感染者が急増するのか、すべての謎に科学が答えを出すまで待ち続けるわけにもいかず、ウイルスに関する理解──日々進んでいるが、不完全な理解──に基づいた政策が進められている。
社会的・経済的な必要性と公衆衛生のバランスを取る最善の方法をめぐり、コンセンサスがほとんど得られないまま、社会全体でトレードオフを手探りしている状態だ。
アジアとヨーロッパを中心とする経済活動再開の第一波は、実験と再調整の継続的なプロセスにとっての、いわばプレビューになっている。
デンマークの学校では生徒に社会的距離を徹底させ、香港のレストランで検温が義務付けられるなど、それぞれの政策は科学的な知見と費用対効果の計算に基づいている。
しかし、何がうまくいくのか、実行する価値のある施策はどれか、人々がどこまで受け入れることができるのか、すべてが試行の段階だ。
「非常に困難な状況で最善の解決策を見出そうと、グローバルな試行錯誤が続いています」と、ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院・健康安全センターを率いるトム・イングレスビーは言う。
ソーシャルディスタンシングが徹底されているデンマークの小学校(Emile Ducke/The New York Times)
ひとりの命を救う「対価」