米モデルナの新型コロナワクチン、初期治験で有望な結果
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第一関門を突破。
3月末からの臨床試験第1フェースで18〜55歳の8人(これが今回の結果)+現在進行形で55〜70歳+71歳以上を進めていて、まもなくフェーズ2として600人、その後7月にフェーズ3として数千人規模の試験になる予定です。
年末年始には、医療従事者から徐々に届けたいとしています。その後の量産にはゲイツも巨額を入れています。
とはいえ、(もしフェーズ3までを突破したとして)モデルナだけで世界全体を賄えることはない、とCEOも断言しており、ほかのワクチンの開発もかなり重要です。
NewsPicksによるモデルナ創業者への独占インタビューはこちら。
https://newspicks.com/news/4832540フェーズ1に参加した8人の被験者由来の血液に中和抗体が検出されたとの報道です。血液中の中和抗体の量は感染から回復した人と同等かそれ以上だったといわれています。
ウイルスは私たちの細胞内に侵入して増殖します。中和抗体はウイルスが持つスパイクタンパク質に結合し、細胞上のエントリー受容体への結合を阻害する抗体のことです。したがってこれが適切な量あればウイルスの体内増殖を抑えられることが期待されます。
ポジティブな報告であるとは思いつつも注意が必要なのはまだフェーズ1であることです。フェーズ1は安全性の証明にフォーカスした臨床試験です。これから続く臨床試験でこのワクチンが充分な安全性と効果を両立するか、それを大人数に接種してよいかが判断されていきます。
モデルナ プレスリリース
https://investors.modernatx.com/news-releases/news-release-details/moderna-announces-positive-interim-phase-1-data-its-mrna-vaccine/
NewYork Times: Moderna Coronavirus Vaccine Trial Shows Promising Early Results
https://www.nytimes.com/2020/05/18/health/coronavirus-vaccine-moderna.html
Reuters: First COVID-19 vaccine tested in the U.S. shows promise in data from eight people
https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-moderna/first-covid-19-vaccine-tested-in-the-us-shows-promise-in-data-from-eight-people-idUSKBN22U1KQ第一相試験の報告で明らかにされたことは、ワクチンを投与した少数の健康なボランティアの方で、重大な副反応が今のところ生じていないこと、そして抗体の産生が見られたということです。
また、8名のボランティアの方にできた抗体は、実験室の中で感染した細胞に投与され、ウイルスの増殖を抑えたことも確認されています。
これは両者ともに有望な結果ですが、少数での確認であるため偶然性を排除できず、また実験室での結果は必ずしも「ヒトで感染を抑えるか」とイコールにはならないので、引き続いての試験が必要となります。
加えて、grade 3(5段階中の3で、生命を脅かすものではないが重症な副作用)までの副作用が3名の方に認められたことも報告しており、対象人数を増やした時に安全性が問題にならないかという懸念材料もあります。
ただし、ここで生命を脅かすような重大な副作用が観察されてしまったら、そもそも次のフェーズに進めないため、大きな前進とも言えます。
引用: https://investors.modernatx.com/news-releases/news-release-details/moderna-announces-positive-interim-phase-1-data-its-mrna-vaccine/