【藤原和博】学校とは何か?先生とは何か?

2020/5/19
コロナショックをきっかけに、教育改革の議論が加熱している。オンライン教育の本質とは何か?9月入学への移行は意味があるのか?今、本当に求められる教育改革とは何か。和田中学校・一条高校の元校長で教育改革実践家の藤原和博氏が緊急寄稿する(全3回)

校長が立ちすくむ問い

さてさて、学校に行けない今だからこそ、「学校ってなんだろう?」を臨象哲学する余裕が出てくる。
臨象哲学(臨床ではない)とは、私の造語だが、「現象に臨んで、なんでだろう?・・・といちいちその存在について考え抜くこと」である。
普段、学校や先生については文句しか言わない息子や娘も、そろそろ行きたくてたまらなくなってきたのではないだろうか?
先日はTikTokで高校生を中心に「学校っていらないんじゃね?」と元校長が問いかけたらどう答えるかをテーマに生番組を配信したら大評判だった。
藤原和博(ふじはら・かずひろ)/教育改革実践家
1955年東京生まれ。 東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。 東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、 ヨーロッパ駐在、1996年同社フェローに。 2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。2016年春から奈良市立一条高校校長として2年間勤務後、東京に戻る。著書は『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』など多数。
私は校長先生たちの校長として、つくば教員研修センターでも8年間にわたって「管理からマネジメントへ」を全国の校長、副校長、教頭、事務長に教えてきた。その数は2000名を超える。
講義の場で、たまにこういう質問を投げかけることがある。
「学校って、なんでしょう?」・・・短い言葉で表現してください、と。
さらに「先生ってなんでしょう?」・・・どういう仕事をする人のことを言うのか、同じく短い言葉で定義してください、と。
すべての先生方は、この質問の前に面白いように立ちすくむ。