【安永竜夫】交渉を有利に進める「設計図」と「星取り表」
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三井物産社長・安永竜夫氏の「交渉術」を紹介します。切った張ったのハードな交渉をどう着地させるのか。
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現在、世界65の国と地域で事業を展開。連結従業員数は約4万5000人。巨大商社、三井物産のトップが安永竜夫社長だ。社内序列で32人抜きという異例の抜擢を受け、2015年、三井物産史上最年少で社長に就任。1年目の決算では創業以来初となる赤字に転落したものの、翌年には見事にV字回復を成し遂げた。
主に化学や発電所などのプラント事業畑を歩み、担当した地域は五大陸を制覇。舞台は砂漠かジャングルかツンドラか。そうした過酷な地域で、ハードな交渉をまとめ上げ、いつしかタフネゴシエーターへと成長。
三井物産には「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という言葉がある。安永社長は数々の修羅場体験をくぐり抜ける中で、デリバラビリティ(Deliverability)、すなわち想定通りに結果を出せる力を獲得していった。その仕事人生を振り返る。(全7回)
■第1回 タフネゴシエーター、三井物産社長のやり抜く力
■第2回 交渉を有利に進める「設計図」と「星取り表」
■第3回 グローバルビジネスに必要な「座持ち力」
■第4回 世界銀行への出向で得た「投資視点」
■第5回 仕事の責任は最後まで持て。数字は達成せよ
■第6回 オンライン出張で問題なし。兆単位の商談を締結
■第7回 「人の三井」コングロマリットの底力を見せる時交渉力が大事なのは当然で磨きたいと常に思っています。でも。
結局、三井物産さんは、大きな儲けの塊である既得権益をタフネゴシエートで分け前を増やすというのが得意分野なんだと思います。
現場で芽吹く新しい儲けの種を早い段階で見つけて育てていくっていう体験談が出てこないのが、今の結果なんじゃないでしょうか。メモピック〜
・「代わり」がない状況をつくっておくことです。自分たちの実行能力などを相手に理解してもらい、「この件については彼らと交渉するしかない」と相手に信頼させることが重要
・「ここまでならギリギリ譲れる」という落としどころを設定することです。どこまで相手に譲歩してもよいか「ネゴしろ(のめる条件の幅)」を事前に決めておかねばなりません
・もし自分がこの交渉テーブルに責任者として着いていたら、どう判断するかを頭に描いて、仕事をしていました
・上司になったつもりの疑似体験は、今でも有効なトレーニングだと思っています