[9日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラ<TSLA.O>は9日、新型コロナウイルスの流行で操業を一時停止しているカリフォルニア州フリーモント工場の再開を巡り、地元自治体のアラメダ郡を提訴した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、同州にある本社と将来の事業計画をテキサス州かネバダ州に移すことも辞さないと警告した。

カリフォルニア州知事は7日、製造業の再開を8日から認める方針を示したが、アラメダ郡保健当局は、郡のロックダウン(都市封鎖)措置は引き続き有効とし、テスラの工場再開を認めないとしていた。アラメダ郡の封鎖措置は5月末まで維持される予定で、必須事業しか再開が認められていない。

テスラはブログへの投稿で9日、こうした郡の方針を受け、業務再開のためには法的措置を取るしか選択肢がなかったと説明。従業員のオンライン研修や職場内の間仕切り、体温検査、防護具の着用、厳格な清掃・消毒ルールなど、徹底した業務再開計画を策定し、郡保健当局に通知したにもかかわらず、当局から返信はないと主張した。

同社はまた、アラメダ郡は合衆国憲法や州憲法に違反し、州知事の指示にも背いていると非難した。

訴訟について郡当局者のコメントは得られていない。

一方、マスク氏は9日、「フリーモントでの生産活動を維持するかどうかは、将来のテスラへの扱い次第だ」とツイッターに投稿し、州外への移転も辞さない構えを示した。

テスラは昨年、フリーモント工場で約50万台の車両を生産した。

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、生産設備を移転するとなれば1年から1年半かかる可能性があるとの見方を示した。