[7日 ロイター] - 米広告・マーケティングサービス会社インターパブリック・グループ<IPG.N>傘下のユニバーサル・マッキャンは7日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって急速に落ち込んだ米国内の自動車需要が今月回復し始める可能性があるとの見通しを示した。一方、深刻な打撃を受けた旅行業界や飲食業界は困難な時期が続く可能性が高いとした。

発表によると、自動車需要は月末までにパンデミック前の80%の水準に回復するという。

ユニバーサル・マッキャンのグローバル最高製品責任者(CPO)、ヒュー・グリフィス氏は「需要の落ち込みが想定ほど大きくなく、回復時期が早いことは驚きだ」と指摘。公共交通機関を避け、自家用車で移動する傾向が強まっていることが一因になっている可能性があると述べた。

一方、旅行業界には回復の兆しがまだなく、渡航制限が解除されたとしても、消費者は海外旅行よりも国内旅行を選択するため、回復は段階的で緩慢なものになるとした。

ユニバーサル・マッキャンの予測モデル開発責任者で、分析・洞察部門シニアバイスプレジデントのタラ・コニントン氏は、外食需要は4月の落ち込んだ水準から6月までに20%しか回復しないと想定。「回復は鈍く、制限措置が緩和されたとしても、消費者は依然として保守的だろう」と語った。

フードデリバリーに関しては、3月中旬から下旬にかけて需要が倍化するなど好調で、引き続き高い需要が見込まれるが、娯楽需要などで増加した家電販売は3─4月にピークを迎え、今月末にはパンデミック前の水準に戻るとした。