(ブルームバーグ): 英銀HSBCホールディングスは、トレーダーやバンカーの賞与を左右する変動給の原資を今年初めに前年比で3分の1縮小した。貸倒損失が膨らみ利益が損なわれたことが背景にある。同行の内部文書で明らかになった。

ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は28日付の文書で「今年が進むに従い今後も変動給について見直していく。しかし不透明感に鑑みれば、業績や給与がどうなるかを正確に予測するには時期尚早だ」と述べた。同行の香港在勤広報担当者は文書の内容を確認した。

HSBCは2020年の貸倒損失が最大110億ドル(約1兆1800億円)まで膨らむ可能性があるとみている。1-3月(第1四半期)の同損失は30億ドルだった。

HSBC、1-3月期に約9年で最大の貸倒引当金計上 (1)

年次報告書によれば、2019年の同行の変動給原資は33億4000万ドルだった。

原題:HSBC’s Pay Pool Slides by a Third as Loan Losses Slam Profits(抜粋)

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