[イスタンブール 22日 ロイター] - トルコ中央銀行は22日、政策金利の1週間物レポレート<TRINT=ECI>を100ベーシスポイント(bp)引き下げ、8.75%とすることを決定した。中銀は利下げで通貨リラ相場に一段の圧力がかかることは認識しながらも、新型コロナウイルス感染拡大のほか、原油価格の急落による影響に対応していく姿勢を示した。

利下げは8会合連続。主要政策金利は1年足らずの間に合計1525bp引き下げられた。今回の会合についてロイターが実施したエコノミスト調査の予測中央値は50bpの利下げ。予測下限は100bpの利下げ、上限は金利据え置きだった。

中銀はこのほか、翌日物借入金利を8.25%から7.25%に、翌日物貸出金利を11.25%から10.25%に引き下げた。

中銀は声明で、新型ウイルス感染拡大を受け貿易、観光業、内需に影響が出始めたとし、市場が機能し信用が行き渡っていることを確実にすることが「必要不可欠」とした。

その上で、エネルギー価格の世界的な低下を受け国内のインフレ期待は低下していると指摘。中銀は年末時点のインフレ率は8.2%と予想しているが、これを下回る公算が大きいとの見方を示した。

ソシエテ・ジェネラルの新興国市場ディレクター、フェニックス・カレン氏は、今回の利下げで「中銀がリラ相場や物価安定などを巡る懸念を犠牲にしても、経済成長支援を最優先していることが示された」との見方を示した。

実際、通貨リラ<TRTTOM=D3>は下落し、約0.25%安の1ドル=6.999リラと、通貨危機に見舞われていた2018年8月以来の安値を付けた。

トルコ中銀は新型ウイルス感染拡大による影響の緩和に向け、これまでに利下げに加え、国債買い入れの拡充などの措置を打ち出した。ロイター調査では、政策金利は年末までに8.25%に引き下げられるとの予想が示されている。