【超解説】経済再開は、すべて「検査」にかかっている

2020/4/24

1日2000万の検査が必要に

日本でも「抗体検査」を実施へーー。
こんな報道が出たのは今週のこと。各地でロックダウン中のアメリカでも、「経済再開」のためには抗体検査が必須として、感染爆発の起きたニューヨーク州をはじめ、各州が積極的な抗体検査の実施に走っている。
さらにはハーバード大学からは、経済再開のためには、1日当たり2000万件の検査実施が必要という分厚い戦略までが出ており、今後、ロックダウンの解除には、とにかく検査だというのが共通理解になってきた。
一方で、日本では、つい直前までは、世界各国に比べて日本の「PCR検査」が圧倒的に少ないことが議論されていた。はたまた、厚労省が「抗原検査」を検討しているといった報道まであった。
PCR、抗体、抗原…、こんなに検査が登場すると混乱するのもムリもない。
だが、それぞれの検査が一体、新型コロナウイルスに関する何を検査し、どういうメリットやデメリットがあるのか分からないと、今後への展望は見えてこない。
NewsPicks編集部は、スタンフォード大学大学院で免疫の研究をする新妻耕太さんへの取材などを基に、これらすべての検査の意味と経済再開への道のりを解説していく。

①まずはPCR検査

PCR。この言葉は、今や誰もが耳にしたことがあるのではないか。
今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査として、世界で最も幅広く使われている検査である。各国によって、検査実施の基準は異なり、「クラスター潰し」の戦略を取ってきた日本では、検査数が少ないことが指摘されてきた。
では、この検査は何を調べるものなのか。