食品ロスのないキッチンへ。食材の在庫から世帯の消費傾向まで測れる食品トラッカー「Bubble」
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家庭からの食品ロスは、事業者からの食品ロスと同じくらいの量があると言われており、しかも事業者からのロスよりも有効利用率・リサイクル率が低いことが課題視されています。
食品ロス対策の視点で冷蔵庫にイノベーションが起こるのは歓迎です。
冷蔵庫については近年、主に3つの観点からの開発が進んでいると感じています。以下に示した通り、他メーカーの技術と比較すると、今回の記事にあるBubbleは機能的に珍しいものではないと感じています(大きさ、価格、消費電力等が明確でないため、評価しにくいです)。
1、 見える化
冷蔵庫の中をディスプレイする。使用忘れ、余計買いを防げる。
・天井から吊り上げた、ディスプレイ性の高い透明な容器(今回紹介のBubble)
・2回ノックするとドアを開閉せずに右ドア部の庫内を見ることができる機能性扉冷蔵庫(LG)
・冷蔵室から野菜室を見渡せる、透明な野菜室仕切り(AQUA)
2、データ化
中に入れた食材の情報を必要な時に見ることができ、家族内で共有も可能。これも使用忘れ、余計買いを防げるとともに、自らの消費傾向を把握することによる最適化に期待。
・冷蔵庫に保存した生鮮食品を光学センサーで自動スキャン、食材識別、鮮度解析(ボッシュ)
・使い続けることで、クラウドがユーザーの生活・買い物リズムを学習、認識。献立を自動提案。(シャープ)
・普段多く消費する食材やあまりがちな食材を計測し、食材の消費傾向を分析(今回紹介のBubble)
3、鮮度保持
従来にない素材・構造・機能により、買った食材の鮮度保持率を高め、廃棄を防ぐ。
・ニーズに応じて野菜室にも冷凍室にもなる空間(日立)
・温度を3〜5℃にキープ、食材に冷気が直接当たりにくい構造(AQUA)
・食材に直接冷気を当てずに鮮度を保持、密閉構造により野菜の乾燥を防止、カビ菌や庫内のニオイ防止のプラズマクラスターを自動放出(シャープ)
一方、家庭からの食品ロスの4分の1は賞味期限前に起こる廃棄であり、知識がないことによる起こる可食部の過剰除去、賞味期限が近いとなんとなく嫌だということで起こる賞味期限前の廃棄などの問題については、意識改革も必要です。冷蔵庫のスマート化によってカバーできる部分もあると思いますが、引き続き食品ロスに向けた問題意識を高めることは重要です。家庭の廃棄は本当に多い。特に、奥に眠ってしまいそうなモノほど。
以前、フードロステックイベントに参加した時も、さまざまなスマートキッチンが開発されていて、今後も見逃せない。
食べ物は腐るし、早く食べるか、食べきるまでにどうするか。
そこが勝負だなあ。