米FRB、一般企業と地方政府に資金供給 2.3兆ドルの緊急措置
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FRBが中小企業や地方公共団体のクレジットリスクを取るという画期的な仕組みです。アメリカは日本と異なり、公的な中小企業向け金融機関がないため、以前から融資の面倒詰まりが指摘されていました。
かつて日本の公的保証で問題になった既存融資の肩代わりを禁止しており、不正融資を防止するためのリスクシェアリング (5%以上は貸し手の銀行に持たせる)の仕組にするなど、よく練られいると思います。
問題があるとすれば、融資実行の処理スピード。銀行も一定のリスクを取るので一応審査はするでしょうが、これまで断って来たような脆弱企業にも貸し出すのですから、既存の審査システムだけでは対応し切れないでしょう。公器に徹してザルで通すとしても、様々な手続きは必要です。
倒産予備軍は急拡大していると思われます。実際の倒産をどこまで未然に防ぐことができるか、ここからが正念場でしょう。2兆3000憶ドルという大きな規模もさることながら、「従来の市場の流動性と機能を維持すること」つまり金融機関を経由して市場に資金を供給することにとどまらず、「地方政府のほか、中小企業を含む一般企業」にFRBが直接的な資金供給を始めたことが異例です。同日、BOE(英国中銀)も、政府が一時的な資金不足に陥ったとき、市場を通さず政府に直接的に資金供給する財政ファイナンスもどきの異例の措置を発表しています。新型コロナウィルスが世界にもたらした資金の逼迫度合を如実に感じさせる動きです。