アイリーン・ヒラノ・イノウエ氏死去=日米交流、震災復興支援に貢献
コメント
注目のコメント
闘病中ということは聞いていましたが、こんなに早く逝かれるとは思っていませんでした。去年の秋にロサンゼルスでのイベントで、初めて間近にお見かけした(お会いしたとはおこがましくて言えません)ところでした。
カリフォルニアの日系人・日本人のリーダーであり、第二次世界大戦以来の「日系人が米国政府でプレゼンスを持ち、収容所の悲劇を繰り返さない」という目的の活動の中心的存在でした。
当時の日系人コミュニティの結束が徐々に緩まっていく中で、この先彼女に代わる人がいるのか、というほどの損失です。悲しいです。心より、お悔やみを申し上げます。かつてのLA特派員時代、ヒラノさんが初代館長を長年務めていた全米日系人博物館には何度となく通いました。2008年、現天皇が皇太子時代に訪問されています。
さてアメリカの日系人社会も4世、5世と世代を重ねる中、「日系」というアイデンティティーがどんどん薄まっていくのをどうするのか、という議論が当時あったと記憶しています(10年近く前の話ですが)。それは日系人というコミュニティーの存続を危ぶむ観点だけでなく、複数のアイデンティティーを持つ強みをどう生かしていくのか、という「架け橋の役目」の視点もありました。ヒラノさんはまさに、その後者の役目を民間の立場で長年果たしてこられた方だと思います。
「日系人は架け橋の役目を担うべき」といった役割固定的な見方はしないよう注意はしつつ、ヒラノさんが果たしてこられたことが次の世代にどう受け継がれていくのか、関心をもって見守っています。何度かお目にかかったことがあります。日米関係にとってとても大きな存在。イノウエ夫妻にかわるような日系コミュニティをまとめる方は想像できないです。アメリカへの移住が他のアジア系に比べて限られているため、日系は見えない存在に。