【直言】リーマンより、コロナがヤバい本当の理由

2020/4/8
本当の経済危機はこれからーー。
世界での感染者数は130万人を超え、日本でも非常事態が宣言される事態となった新型コロナウイルスの猛威。アメリカでは、わずか2週間で失業保険の申請者数が990万人に達するなど、実体経済へのインパクトもすさまじい状況だ。
一方で、株式市場は落ち着きを取り戻しているように見える。
3月に入り、リーマンショックを大きく超える規模で売られ続けたマーケットは、下旬に入って持ち直し、足元では、一応の小康状態が続いている。
だが、「実は、市場はまだコロナ危機の全貌を全く消化できていない」。
こう指摘するのは、世界金融の中心地ニューヨークで、30年以上にわたり、トップのファンドマネジャーを務めてきた重信英毅氏だ。JPモルガンに、資産運用額100兆円の年金基金TIAAなど、まさに最前線で長年運用を任されてきた伝説の日本人である。
リーマンショックやアジア金融危機など、数々のクライシスを乗り越えてきた重信氏は、今回のコロナ危機をどう見ているのか。そして、この危機の「本丸」とは。そのインサイトのすべてを聞いた。
「リーマン超え」という言葉は消える
──リーマンショックと比べて、コロナによる経済危機のインパクトをどう捉えていますか。
重信 3月12日のNewsPicksの記事で、ニューヨークの金融プロ5人のうち、4人はリーマンと比べると楽観的な見通しをされていましたね。当時、私は記事を見ながら、「もっと来るのでは」と思っていました。
【独自】ついにリーマン超え。米金融プロたちが注視していること
ただ、それはロックダウンの前の時点です。
今は、自粛どころではなくて、ロックダウンに入っちゃっているから、そこから状況は各段に悪くなっています。
今同じ質問に答えるとなると、もう間違いなく「リーマン級」であり、かなりの確度で「リーマン超え」である、と。将来は『リーマン超え』という言葉がなくなって、『コロナ超え』という言葉を使わないといけなくなる可能性すらあると思います。
リーマンと比較するときに、3つの指標があります。