[ヨハネスブルク 27日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは27日、南アフリカのソブリン信用格付けを「Baa3」からジャンク級に当たる「Ba1」に引き下げた。見通しは「ネガティブ」で、さらに格下げとなる可能性が示唆された。

ムーディーズは格下げの主な理由として、財政的な堅固さが引き続き弱まっていることや成長が構造的に非常に弱いことを挙げた。

すでに景気後退(リセッション)入りし、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響に直面している同国にとって、痛手となることは必至。

南アのムボウェニ財務相は、格下げは金融市場にとってさらなる圧力になるとコメントした。

その上で、政府は景気減速と国有企業の業績悪化に向け改革を進めていると強調した。

ロイター調査では、アナリストの大半が格下げを予想していた。

南アのジャンク級への格下けは、すでにS&Pグローバルとフィッチが2017年に実施しており、3大格付会社ではムーディーズが最後となる。

ジャンク級となったことで、南ア国債は世界国債インデックス(WGBI)から除外される。アナリストはこれにより最大で110億ドルの投げ売りがあると予想している。

ただ、WGBIの構成見直しは4月末に延期されていることから、週明けの市場の反応が控えめになる可能性もある。

アナリストの中には、格下げで不透明感が払拭されたことで通貨ランドの買い加速を予想する声もある。

ただスタンリブのチーフエコノミスト、ケビン・リングス氏はこうした可能性に否定的な見方を示し、「格下げを巡る不透明感がなくなったからといって、海外から買いが入るとは思えない。今の市場は、格付けよりもウイルスに左右されている」と指摘した。

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