[東京 24日 ロイター] - 米国の投資ファンド、カーライル・グループ<CG.O>は、日本でのバイアウト投資向け4号ファンドで2580億円を調達したことを明らかにした。額は過去最高で、3号ファンドの2倍の規模。

カーライル・ジャパンの日本代表の山田和広氏は第4号ファンドでも引き続き事業承継案件に注力しながら、大企業のカーブアウト案件にも投資していくと語った。ファンドの投資期間は6年。

日立<6501.T>やパナソニック<6752.T>、東芝<6502.T>などがすでに子会社の売却を進めているが、まだ氷山の一角だとして「それぞれの会社で切り出しを本格化してくるのはここ数年みえてきている。今後はチャンスだということでファンドのサイズを倍にした」(山田氏)という。

オーナーが後継者をみつけることができない企業に投資をする事業承継案件は、高齢化が進む日本で他のプライベートエクイティも投資機会を増やしている。この分野ではスナック菓子メーカーのおやつカンパニー(三重県津市)がカーライルの代表案件になる。また、もやし栽培の名水美人ファクトリー(大分県竹田市)にも投資をしており、これは今月神明ホールディングスに売却したばかりだ。

山田氏によると、4号ファンドの約半分を大企業のカーブアウト案件、残り半分を事業承継案件(訂正)に投資する。カーブアウトでは1件当たり200億円から400億円のキャッシュを投資する。何千億にも及ぶ案件であればカーライルのアジア、欧州、米国のファンドと共同投資をする。

一方、事業承継案件では1件当たり100億円から200億円の投資を見込む。

新型コロナウイルス感染の拡大の影響で、世界経済は悪化の一方をたどり、株価も低迷。今後はより慎重な投資先を見極めが必要になるが、山田氏は「いいビジネスは今業績が落ち込んでも必ず回復する。そのような案件を探すことが重要だ」と語った。

*文中の誤字を訂正します。*

(藤田淳子 編集:青山敦子)