国や県が“自粛”要請も…「K-1」予定通り開催
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大規模イベントの感染リスクについて補足します。リスクは主催者の視点と個人の視点で大きく異なることが分かります。
イベントの参加者に10000人に1人の割合で感染者がいるとしましょう。100万人都市で100人の割合ですから、日本の報告数の実情とそれほど遠くないと思います。
K-1のように人気のあるイベントで、(実際の予定動員数は存じ上げませんが)観客動員数が50000人に上るとすれば、罹患率から単純計算をすると、イベントには5人ほどの感染者が参加することになります。すなわち、主催者側の視点では、会場内に感染者がいる確率は、ほぼ100%となります。
飛沫感染だけでなく、接触感染からも広がるこのウィルスで、どんなに環境を整えたとしても、観客の中での感染拡大が生じるのを避けることは難しいでしょう。すなわち、そこで感染拡大が生じるリスクもほぼ100%です。
1人の感染者から平均3人の感染者が発生すると仮定すると、その1イベントで5人の感染者から、15人の新たな感染者が発生することになります。これは、地方自治体として、もちろん無視できない大きな数字です。そしてその後、この15人がさらに二次感染を広げていくことになりうるのですから、日本社会としてもとても大きなインパクトです。
一方、個人のリスクとしては、50000人中の15人ですから、イベントに参加して運悪く感染してしまう確率は、0.03%程度。個人のリスクに落とし込めば、感染のリスクは大したことはないかもしれません。
100%と0.03%。
ここにとても大きな解離があるのです。個人のリスクは大きくなくても、社会としてのリスクがとても高い。だからこそ、地方自治体や国家からの活動休止に向けた対策が必要とされるのです。視点を間違えると、対策も間違ってしまうかもしれません。すでに同様のコメントがあるかもしれませんが,主催者が興行中止保険に加入していたとしても,新型コロナを理由とする興行中止の場合(厳密にいえば,出演予定者「以外」の方の感染またはそのおそれを理由に中止する場合),通常,保険金は一切支給されません。
(とはいえ,今後司法で争われるケースは出てくるかもしれません)
中止したとしても保険金は支給されない,政府補償もされない,他方で,強行しても法的責任までは問われない可能性がある,ということになると,政府が「主催者判断」を強調するうちは,集団感染が生じるリスクのあるイベントが,これに限らず今後も引き続き強行される可能性はあります。
あまりにも軽率というのは私も感じるところですが,他方で,「中止した方が馬鹿を見る(かもしれない)」上で主催者に判断が委ねられている,という状況自体にもやや問題があるように思います。
興行中止のインセンティブがないからこそ,「えいやっ」と決行してしまう・・。この気持ち自体は,正直理解できる部分もあります。
また,このままでは,他国も含めて文化的興業(スポーツを含む)が破壊的打撃を受けかねないのも事実で,社会である程度は損失をシェアするための仕組みも考えなければならない時期にきているとも感じます。日本と世界の国民性の違いやリーダーシップの違いが、
明確に出てきた点かと。
日本はあくまで国民や事業者の判断に任せる。
政治家も官僚も誰も責任を取りたくないから。
海外は政治家の責任のもとに、もはや規模の大小に関わらず明確にイベントを「禁止」。ロックダウンもそう。
これまで、あらゆる活動の自粛を求めできた結果、それが一定の効果を発揮してきたのは、特に周りの目を気にする日本人の特性もうまく働いたからだと思いますが、個人もいい加減自粛モードに嫌気がさし、また多くの中小企業は経済活動を再開しないと立ち行かない状況になりつつあります。
この三連休、外には多くの人があふれ、企業も個人も次々と活動を再開しているように感じますので、感染爆発がいつ起きても違和感はありません。