【中野善壽】2歳の孫に教えた世界の競争ルール
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「シゴテツ -仕事の哲人-」、寺田倉庫元社長兼CEO・中野善壽さんの第3回です。お金がなくても「花一輪」を買って部屋に飾っていた中野さん。その生活習慣が伊勢丹入社へとつながります。本文後半に出てくる2歳のお孫さんへの教え「好物は最初に食べる」は、競争社会を生き抜く上で大人にも大切だと感じました。
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2011年に寺田倉庫のCEOに就任し、2019年6月に退任するまでの間、富裕層向けの保管業を強化するなど斬新なイノベーションを牽引してきた中野善壽氏。戦後の混乱の中で幼少期を過ごし、個人消費の最盛期に伊勢丹、鈴屋で海外出店などを担った。
1991年に台湾に拠点を移してからは、力覇集団、遠東集団などの要職を歴任。その実績と人柄から、多くの経営者や文化人に慕われる。
初の著書『ぜんぶ、すてれば』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
https://www.amazon.co.jp/dp/4799325973
出版を機に実現したロングインタビューで、“規格外”の「仕事の哲学」をじっくりと語ってくれた。(全7回)
■第1回 あの寺田倉庫「改革の立役者」が明かす規格外の人生
■第2回 人は自分の人生しか背負えない
■第3回 「花一輪」を飾る心のゆとりを持つ
■第4回 寺田倉庫創業家2代目との出会い
■第5回 会社に管理職は要らない
■第6回 まず最高のものをつくる。その後にどう売るかを考える
■第7回 高くても買ってもらえる「付加価値のある仕事」をするいや、2歳児への教育としては厳し過ぎるし、伝わらないかと。笑
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ある日、一緒にショートケーキを食べようとしていた時のことです。ケーキのてっぺんにのっていたイチゴを、サッと僕が食べると、彼女はワンワンと泣きました。好物のイチゴを取った僕に腹を立て、ストレートに感情をぶつけてきます。
かわいそうかもしれませんが、これは僕なりの教育だったのです。”生きるために大切なことを教えたいがために、僕は孫をあえて悲しませたのです。”
教育の本質を見た気がします。
教育とは、実社会において大きな損害を出さないため、訓練すること。
そのため、失敗させて危機感と反省を促し、本番に備えること。
第三者から見て「異端」「時代にそぐわない」とみられても、本人が痛い目に合う損害よりは、遥かに良い。
教える側の本質を求める心、見習いたいです。