【麻野耕司】選択肢を広げたまま、選び取らずに死にたくない

2020/4/15
2020年4月1日、新型コロナウイルスによるパンデミックの渦中に産声を上げたスタートアップ「People Tech Studios(ピープル・テック・スタジオ)」。

代表を務めるのは、組織人事コンサルティング事業で知られるリンクアンドモチベーションで、日本初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げ、数多くの組織に変革をもたらしてきた麻野耕司氏だ。

新卒でリンクアンドモチベーションに入社以来、約17年間にわたり同社でキャリアを築いてきた麻野氏が、なぜ、独立・起業を決意したのか。ピープル・テック・スタジオでは、どんなことに挑もうとしているのか。そのビジョンやミッションをはじめ、これまでの歩みで培ってきた組織マネジメントの哲学を、あますことなく語る。(全7回)

「騙されたらアカンで!」

僕は2003年に大学を卒業後、新卒でリンクアンドモチベーションに入社。それから約17年間、同社でキャリアを築きました。
リンクアンドモチベーションは、今でこそ東証一部上場企業で、「モチベーション」を切り口としたコンサルティングで数多くの企業組織に変革をもたらしてきたことで知られています。
大学時代
でも、僕が就職活動をしていた当時のリンクアンドモチベーションは、創業から間もないベンチャー企業で、名前すらほとんど知られていませんでした。
リンクアンドモチベーションの内定をもらったとき、関西の実家に電話をして、この会社に就職しようと思うと報告したら、「なんとかモチベーションってなんやねん? お前、騙されたらアカンで!」と反対されてしまいました。
その前に、名の通った商社から内定が出たときは、親はとても喜んでいたんですよね。そこへ、何をやっているのかよくわからない、怪しげな名前の会社に就職すると言われたら、親としては反対するのは当然かもしれません。