【ドキュメント】DeNA、巨額赤字の舞台裏

2020/3/7
508億円。
2020年2月5日、DeNAが発表した決算内容に、市場関係者たちはあっと驚いた。唐突な「減損」を発表したからだ。
しかも、その額が額だった。というのも、これを受けてDeNAは、2019年度第3四半期に492億円の赤字に転落。
それだけではない。2019年度の通期でも、なんと「上場以来初」の最終赤字に陥る見通しとなったのだ。
結果的に、南場智子会長と守安功社長が役員報酬を一部返上する事態となった。果たしてDeNAに、何が起きているのか。
(写真:東洋経済/アフロ)
今回の減損の背景には、2010年にDeNAが買収した、とあるアメリカ企業の存在がある。
ngmoco(エヌジーモコ)。
DeNAにとって、北米進出の目玉だったこの企業は、実は一度も黒字化できずに、ひっそりと2016年に解散・清算している。
それから実に3年半もの年月が経った今、なぜDeNAは唐突な減損を計上したのか。そもそもngmocoの買収は、いかにして失敗に終わったのだろうか。
その真相に迫っていくと、早くも買収交渉を開始した2010年当初から、歯車が狂い始めていたことが分かる。

アメリカ進出の舞台裏

「いっそのこと、買収しちゃえばいいんじゃない?」