マレーシア首相はムヒディン氏に 元副首相、3月1日に宣誓式
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マハティール首相は勝負に敗れました。一週間の間に二転三転どころか、五転六転くらいしているので、まだどうなるかわかりませんが。
ムヒディン氏は、以前ナジブ政権では副首相、マハティール内閣では内務大臣で、軽量級ではありませんが、彼が首相にまでなると思っていたマレーシア人はほとんどいないでしょう。
経緯を簡略にすると、
2月24日、マハティール首相が辞任表明。首相を辞めたいわけではなく、政界再編のためでした。
→ 国家元首はマハティール氏を再度首相に任命。この時点で、与野党ほぼ全ての政党がマハティール首相への支持を表明。みな、与党になりたがりました。
→ マハティール首相は、それでは全ての既存政党は解体したうえで、議員個々人が自分の政府に加わるように要求。大政翼賛会とか、中国共産党の体制のようなものをつくろうとしたと見られます。
→ (当然ながら)どの政党も、解体には難色を示し、ここでマハティール首相の読みは外れました。
→ マハティール首相がつくった団結党は、マハティール首相ではなくムヒディン氏を首相候補として担ぐことを宣言、いくつかの政党もこれに応じて、議会の多数を確保した模様です。
新しくできる政権は、
団結党(現在36議席ですが、マハティール派とそれ以外に分裂。マレー人ムスリムのみの政党。)
統一マレー人国民組織(UMNO、39議席。1957年の独立から2018年まで政府与党。マレー人ムスリム主体の政党)
マレーシア・イスラーム党(18議席、マレー人ムスリム主体の政党)
サラワク州政党連合(17議席)
あとは、華人政党(2議席)、インド人政党(1議席)
などで、過半数はギリギリ越える見込みです。しかし、マレー人ムスリム議員が連立与党の8割は越えます。
華人議員、インド人議員、その他のキリスト教徒が多数の民族の議員などは、ほとんど野党に回ることになります。マレーシアは戦後にシンガポールと一緒に独立、その後マレー人優遇政策などで反対したシンガポールが独立分離しています。
島国日本を参考に国内生産中心に経済を循環させようとしたマレーシア、広く開放し外貨を獲得し経済発展をしたシンガポールは対照的です。またマレーシアはマレー人優遇の政策が多く中華系など他人種からの反発も多く、多人種が活躍するシンガポールとはここも対照的です。
そんなマレーシアを1981年から長く支えてきたマレー系のマハティール首相が色々とすったもんだで退陣しました。国内にある不満がいろいろと溢れてきているのが見えやすくなてきました。