ウイルス検査「来週にも保険適用」 衆院予算委で厚労相 新型肺炎
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検査が保険適用になるメリットとデメリットをまとめておきたいと思います。
メリット
ー保健所の裁量権なく、医療機関主導で(正確には医師主導で)検査が行えるようになる
ー各医療機関で幅広く検査が提出できるようになり、必要な人皆がカバーされるようになり、おそらく患者さんの満足度も上がる
デメリット
ー必要な検査の提出とともに不要な検査の提出も増え、誤診が増える
ー皮肉にも、逆説的に感染者の大胆な見逃しが増える可能性がある(検査偏重により問診や診察で見ていた時の方が正確に評価、対処していたということがありえる)
ー保険財政をますます圧迫する(ただしおそらく現状では検査の適用が国民の総意としてコンセンサスを得られそうなのでますますの税金を投資すること自体は「理にかなっている」かもしれない)
検査の注意点を繰り返しコメントさせていただいていますが、検査の「的中率」は「事前確率」に大きく依存します。
事前確率とは、患者さんの頭の中の推測による確率ではありません。医師の情報収集、診察、血液検査や画像検査の結果を統合して生まれた確率です。事前確率が低ければ、誤診が増えます。事前確率が高ければ、誤診は減りますが、検査陰性による見逃しを増やします。
このようなことがしっかりと理解されて行われなければ、検査はかえって混乱を生むことにつながります。
検査を拡充すべきとの意見に全く異論はないですが、少なくとも現場の医師は、その適応を慎重に判断する必要があり、検査結果を伝えられる患者さんは「検査に限界がある」という前提をしっかりと理解しておく必要があると思います。