[22日 ロイター] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N>が発表した第4・四半期決算は、営業利益が前年同期比23%減少した。ただ、米アップル<AAPL.O>など保有株の大幅上昇を背景に通期利益は過去最高を記録した。

第4・四半期の営業利益は44億2000万ドル(クラスA株1株当たり約2720ドル)となった。前年同期は57億2000万ドル(同3484ドル)だった。

純損益は保有株式の上昇を反映し、291億6000万ドルの黒字となった。前年同期は253億9000万ドルの赤字だった。

2019年通年の純利益は814億2000万ドルで、米法人税率引き下げの恩恵を受けて17年に記録したこれまでの最高益449億4000万ドルを大幅に上回った。

米国の会計基準では、保有株式の評価損益の計上が義務付けられており、バークシャーの業績の大きな変動の要因となっている。

バークシャーは過去4年間、大規模な買収を行っておらず、手元資金が1280億ドルに上っているが、バフェット氏は株主への年次書簡で、バークシャーの株式投資の正当性を主張。バークシャーが保有する株式は「どのような状況においても顕著な」リターンを生み出していると述べ、債券のリターンと比べると特にそうだと指摘した。

アップル株は昨年に86%上昇し、第4・四半期だけでも31%上昇。バークシャーの昨年末時点のアップル保有株の評価額は737億ドルとなった。

バークシャーは、自社株買いを強化。第4・四半期は約22億ドル、通年では50億ドル規模の自社株買いを実施した。

バークシャーに長年投資しているガードナー・ルッソ・アンド・ガードナーのパートナー、トーマス・ルッソ氏は「自社株買いへのコミットメント強化を歓迎する」と述べ、1株当たりの本質的な価値向上につながる可能性があるとの見方を示した。

CFRAリサーチのアナリスト、キャシー・ザイフェルト氏によると、バークシャーの鉄道事業BNSFとエネルギー事業の業績は改善したものの、再保険事業が営業利益の重しとなった。自動車保険事業ガイコは保険金請求が保険料収入の伸びを上回った。

同氏は「エネルギー事業と鉄道事業は上向いたが、保険関連が大きな圧迫要因となった」とし、第1・四半期以降の貨物輸送への新型コロナウイルス感染拡大による影響が注目されると指摘した。