[東京 18日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比285円80銭安の2万3237円44銭となり、大幅続落した。1─3月期の売上高が会社予想に届かない見通しだと米アップル<AAPL.O>が発表したことを受け、電子部品株や半導体関連株を中心に幅広く売られた。新型コロナウイルスによる感染拡大の景気への影響が、さらに広がるとの不安を増幅させている。

前日の米国株式市場は休場だったが、そうした中でアップルの発表が注目された。同社は17日、新型コロナウイルス流行が中国での同社製品の生産と需要の両方に影響を与えているため、1─3月期の売上高が会社予想に届かない見通しだと発表。中国での同社製品の生産拠点は再稼働したものの、想定よりも生産の立ち上がり遅いと説明した。

市場では「これまで心理的な側面が強かった新型肺炎の影響が具現化した格好。各種イベントの中止によって不安感が高まってきた中で、世界景気の見通しに不安を与えた」(岡三オンライン証券・チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が聞かれ、先物に売り仕掛けが目立ったほか、現物市場もアップル関連株をはじめ広範囲に売られた。

また「新型コロナウイルスの国内感染者数はこれから増加し、ピークアウトはまだ先との見方が多い。感染者が増えている間は短期プレーヤーから先物に仕掛け的な売りが出やすく、日経平均は2万3000円を割り込む水準まで下落する可能性もある」(いちよしアセットマネジメント・上席執行役員の秋野充成氏)といった指摘もある。 TOPIXは1.19%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0220億8900万円となった。東証33業種では、ゴム製品を除く32業種が値下がりした。

個別では、 TDK<6762.T>、東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>など電子部品株や半導体関連株の下げがきつく、これらが日経平均の下げをリードする形となった。 東証1部の騰落数は、値上がりが238銘柄に対し、値下がりが1847銘柄、変わらずが73銘柄だった。

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